「まいごのつばめを逃がそう」大作戦
朝、東部こども園の玄関に一羽のつばめが迷い込みました。
「とりさんが入ってきたよ。」「つばめだよ。」「迷子になって入ってきたんだね。」「まいごのつばめを逃がしてあげよう。」と一羽のつばめを逃がす大作戦が年長組を中心に始まりました。
作戦➀ 長い棒で逃がす作戦
「天井が高くて届かないね。」
「このお掃除棒で逃がせばいいんじゃない。」「そうだね。そしてさくら組で一番背の高いお友だちを呼んで来よう。」「じゃ呼んでくるね。」
「お願いがあるんだけど、つばめが迷子になっちゃって、一番背の高い○○君、手伝ってくれない。」とお友達にお願いし、協力してもらうことにしました。
「うん、わかった。」と交渉成立! 背の高い保育士と背の高いさくら組のお友達。今度はどうでしょう。 「もっと上、もっと上!」
残念ながら届きません。
作戦②人の気配を消す作戦
「そうだ。人の気配がするからダメなんだ。みんな、戸を閉めてホールに行こう。」「そうだね」と子ども達はホールに移動し、ドアの外から見守ることにしました。
作戦③つばめのえさになるものを準備しておびき寄せる作戦
「つばめのえさを下においたらどう?」「つばめって何を食べるの?」「そうだ、図鑑で調べてみよう!」とそれぞれに図鑑で調べ始めました。
「何を食べるのかな?」保育士にも聞いてみました。「先生、図鑑になんて書いてある?」保育士が読んでくれる話に集中して聞いていた子ども達です。
保育士に図鑑を読んでもらい、情報をゲットした子ども達は「虫を食べるんだって!!」と一目散に園庭へ。何をするのかの思いきや、虫取りをしていたお友達の所へ行き、「ねえ、○○君、虫貸してくれない。ごめんね。」と虫取りをしていたお友達にお願いし、お友達もその言葉に「うん、いいよ。」と言って一緒にかけつけてくれました。そして虫の入ったバットをつばめの下におき、つばめがおりてくるのを待つことにしました。その他、鳥は果物やとうもろこしをたべるという事を知った子ども達は、おもちゃのジュースをそばに置いたり、カップに水を入れたりしました。つばめがおりてきてくれるといいな。
その間も子ども達の会話は止まりません。その中でまた次の作戦を思いついた子ども達です。
作戦④お友達作戦
「つばめのお友達を作ってみたらどう?」「お友達がいると思っておりて来るんじゃない?」「いいね!」「お友達を作ろう。」「そっちは、つばめを守っていてね。」「うん分かった。」とつばめを作るグループは保育室に走っていき、見守るグループはホールから見守りを続けながら新たな作戦が始まりました。
さくら組の部屋では、つばめの仲間作りが始まりました。平面では偽物とわかるので、立体的にした方がいいね。と絵の間にテッシュを挟んで制作する姿が… 工夫がすごい!
「そうだ、とうもろこしややさいなど鳥のえさになる絵も書こう!」
一方、見守り隊の方は… 餌場が低いことに気が付きました。「図鑑には餌を置くところが高くなっていたよ。」「高くしたらいいんじゃない。」「先生のお部屋から椅子を借りてきていい。」
と事務室にお願いに行き、椅子を借りてきました。はじめは一脚でしたが、いつの間にか二脚になっていました。理由を聞いてみると一脚だとグラグラするからだそうです。なるほどすごい気づき!
これで準備OK.! 気配を消すために扉の間にお友達つばめを差し込んで、上下に動かしました。すると何という事でしょう!!
つばめが下におりてきたではありませんか!!「つばめがおりてきた。」「つばめがおりてきた。」大興奮の子ども達。 急いで玄関の扉をかけると子ども達から「あっちだよ、あっちだよ。」「お外に逃げて。」「がんばって。」と応援の声があがりました。
「やったー。」「やったー。」「つばめさん、バイバイ。」「今度は迷子にならないでね。」とつばめに別れを告げ、迷子にならないように保育士より先に玄関の戸を閉める子ども達でした。
作戦大成功!無事につばめを逃がすことができました。 そして、いつの間に作っていたのでしょう。カラスの絵を玄関の入り口に貼り「ここにカラスがいれば、今度はつばめさん迷子にならないね。」 なるほど!
このつばめを逃がそう大作戦では、子どもたちはありったけの知恵を使い、ありったけの言葉で伝い合い、みんなで協力してつばめを逃がしてあげることができました。大、大、大満足の子ども達でした。